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タ イ ト ル:Linked Open Dataで広がるデータ統合

発  表  者:萩野 達也

所       属 :慶応義塾大学 環境情報学部

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       旨 :Linked Open Dataとは、データをRDF(Resource Description Framework)形式で公開し、公開されたデータがつながった状態のことを表している。WebではURL(Uniform Resource Locator)を使ってWebページ同士をリンクし、ユーザはリンクをたどることによってWeb上の様々な情報にアクセスすることができるが、 Linked DataではURLの拡張であるURI(Uniform Resource Identifier)を使ってデータを記述し、さらにURIによってそれらを結びつける。URIを使ってデータの構成要素を表すことによって、別のサイ トが公開したデータであっても同じURIを使うことでデータを共有することが可能になる。また、URIをアクセスすることによって、そのURIが表すデー タの様々な情報を入手できるようになっている。あたかも、Webブラウザを使ってWebページをたどっていくように、Linked DataではURIを使ってデータをたどっていくことによって、様々な関連データを集めることができる。
  データを公開することは従来からも行われていた。Linked Open Dataが従来の公開の方法と違うのは、データ形式としてURIを基本とするRDFを使っている点である。従来の方法では、サイトごとにデータ形式が異 なっていたり、データで使っている構成要素の意味するものもサイトごとに異なっていたりするので、異なるサイトのデータを統合するのは大変なことだった。 これに対して、Linked Open Dataでは、データ形式はRDFに統一されているので、複数のサイトのデータを一つのRDFストアに入れるだけで統合することができる。同じURIを使 うことで複数のサイトのデータの構成要素を統合することができる。共通データ形式、共通URIを用いることでデータ統合は非常に簡単になる。また、統合化 されたデータにアクセスする場合も、一般のRDF検索言語を用いることが可能になり、これまでサイトごとにカスタマイズしてアクセスしたり加工したりする 手間が全く必要なくなる。
  Linked Open Dataでデータを公開することによって、これまででは考えられなかったようなデータ統合も生まれだしている。たとえば、政府情報をLinked Open Dataで公開しているアメリカやイギリスでは、そのデータを別のものと結合することによって、これまで明らかでなかった事実が鮮明に分かったりなどする 例も報告されている。Linked Open Dataでは分野を超えた統合も可能である。今後、大きく広がっていくのではないかと期待されている。
 本公演では、Linked Open Dataの基本になっている、URIやRDF、Linked Open Dataとして公開するための方法、公開されたデータの統合方法などについて説明する。