プログラム詳細


 

タ イ ト ル:地球観測・予測データの統融合

発  表  者:小池 俊雄

所       属 :東京大学大学院工学系研究科/東京大学地球観測データ統融合連携研究機構

 

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       旨 :人口減少・少子高齢化による社会の脆弱化の中で、近年の気候変動がもたらす極端事象や東日本大震災が示すような想定外の外力により、国民の安心・安全が損なわれている。顕在化している地球規模課題の解決はもとより、新しく直面する課題に対しても早期に課題の全体像を的確に把握し、効果的な対応策を見出すため の科学知を創造するとともに、その適用による問題解決と公共的利益の創出が求められている。
 第3期科学技術基本計画の国家基幹技術「海洋地球観 測探査システム」の一環として開発されたデータ統合・解析システム(DIAS)では、「世界で共有できる知の創造」、「分野を超えて共有できる知の創 造」、「体感できるデータと情報の提供」を目的として、地球規模課題に関する科学知の深化と公共的利益創出のための情報基盤のパイロットシステムを構築し た。
 共通基盤ハードウェアとしては、2.6ペタバイト磁気ディスクストレージと2.0ペタバイト磁気テープストレージを組み合わせた超大容量 データアーカイブシステムと、その統合解析を可能とするサーバを組み合わせたデータ統合・情報融合コアシステムを開発・運用した。ソフトウェアとしては、 データ投入、データ品質管理、メタデータ・ドキュメントメタデータ作成、データ俯瞰・検索、オントロジー情報を用いたデータ検索、データダウンロード、 ユーザ管理などのデータ統合・解析のための各共通基盤機能や、気候変動モデル比較実験のモデル出力の効果的利用システムや生物多様性モニタリングのための 市民参加型データ収集・共有システムなどの応用機能を開発・適用した。その上で、気候、水循環、生物多様性、農業、水産業分野における先端的な科学的・社 会的情報や分野間連携による情報をパイロット的に創出し、その有用性を実証した。
 平成23年度からは5年計画の「地球環境情報統融合プログラ ム」が開始され、DIASを高度化・拡張するとともに、多様な分野のステークホルダーが、超大容量で多様なデータ・情報を協働して統融合し、新たな価値を 創出できるデータ基盤(これを、ワークベンチとよぶ)のプロトタイプを、地球環境に関わる国内意思決定支援、地球システム研究統融合推進、国際開発援助支 援の各領域で構築している。本プログラムでは、これらのワークベンチのプロトタイプを検証・評価し、持続的運用の価値と可能性を評価した上で、平成28年 度より地球規模課題解決に向けて、科学的先端性を持続的に発揮し、実利用によって公共的利益を実現できるDIASの運用体制を確立することを目的としている。