演題詳細


 

タ イ ト ル: 「KEGG MEDICUSと参加型医療」

発  表  者: 金久 實

所    属 : 京都大学 化学研究所

発 表 資 料 : 講演動画 / 講演スライド 金久先生スライド

※発表資料の著作権は、別途記載がない限り発表者/所属機関に帰属します。
 ポスター・スライド内の図や文言を転用する際には、著作者と話し合っていただくようお願いいたします。


要    旨 :  ヒトゲノム計画を契機としたハイスループット実験技術の進歩と大量データの生産、それに伴うデータベースの整備により、様々な分野での研究に新たな展開が生まれている。しかしながらこれらの恩恵は国際的に見ても未だ研究者コミュニティに限られており、一般社会にまでは到達していない。それは社会的ニーズの高いデータとの統合が十分になされていないことが1つの大きな要因であると考えられる。このような背景の下に統合化推進プログラムで開発を行っているKEGG MEDICUS (http://www.kegg.jp/kegg/medicus/) は、疾患・医薬品・環境物質など社会的ニーズの高いデータを、ゲノム情報を基盤とした生体システム情報として統合したリソースである。これにより研究者コミュニティには医療・創薬・環境保全等で研究成果の実用化を支援するリソースを提供し、一般の人々には病気や薬に対する科学的理解を深めるためのリソースを提供する。医療の革新を表現する4P (Predictive, Preventive, Personalized and Participatory) medicineという言葉があるが、これは普通には医療従事者や研究者の考え方としてとらえられている。一方、我々はこの言葉はそのまま一般の人々が使えるようになるべきだと考えている。本発表では研究者側のインターフェースとして大量データ処理・解釈のためのKEGG Mapperツールや、疾患分類・医薬品分類情報、医薬品添付文書情報、副作用情報などを統合化したKEGG MEDICUSリソースの紹介をする。また一般の人々が自分の病気や服用している医薬品を入口としてKEGG MEDICUSを利用し、病気の分子メカニズムや医薬品の作用・副作用に対する科学的理解を深めることで、患者側からみた個別化医療、参加型医療、セルフメディケーションが可能になることを目指したKEGG MEDICUSお薬手帳インターフェースの紹介もする。