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デジタル時代の著作権とイノベーション

中山 信弘  (明治大学特任教授、東京大学名誉教授、弁護士)



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  1. 現在の日本の著作権法の基本的構造
    • 日本の著作権法の基本的構造は、所有権と同じ物権法的。
    • 従って基本は差止請求権であり、故意・過失のある場合にのみ損害賠償ができる。
    • 財産権とは別個に、強力な人格権が認められている。
  2. デジタル時代における環境の変化
    • 19世紀的な古典的な著作物(小説、音楽、絵画等)と、古典的な流通形態を前提にしている著作権法。
    • 一部の能力のある者が著作活動を行い、大多数の者はその受け手であった。
    • 21世紀的な、ネットに典型的に見られるような新しい流通形態の出現。
    • 万人が情報の創作者となり、発信者となり、受け手となりうる環境ができあがった。
  3. 著作権法の遅れ
    • 著作権法は、デジタル時代に即応しているか。
    • 著作権法は、ネット時代の流通に即しているか。
    • 万人が創作をする時代に相応しい法制になっているか。
  4. 著作権とイノベーション
    • 著作権法が産業と大きな関わりを有するようになってきた。
    • 著作権法がイノベーションの阻害要因となっていないか。
  5. フェアユース
    • 現行法では、著作権法に例外とされている行為以外は違法となる。
    • その結果、殆どの人は、著作権侵害をしている。
    • 時代の進展、技術(特にデジタル技術)の発展により、合法とされるべき事項が増え、毎年のように法改正を行う必要がある。
      →今回は、検索エンジンにつき立法が行われた。しかし次にどのような技術が現れるか、見当もつかない。
    • このような新技術の中には、権利者の利益を害するものもあるであろう。権利者の利益を害さない、あるいは害することが少ないが、他方、社会に与える便益が大きいものもあるであろう。
    • これらについては、逐一、立法化するということも考えられる。
    • しかし立法は常に遅れる傾向にある。しかも複雑な事象を条文で規定しようと思うと、極めて解りにくい条文になり、硬直的なものになりがちである。検索エンジンに関する条文は極めて難解で、玄人にも解読が難しい。